はじめ表紙を見たとき、
「なんてレトロなんだろう。」と思った。
ずいぶん以前に発行された、啓蒙書かな?と思っていた。
出版は2019年2月。
そう今年なのだ。
表立って語られることの少ない、女性特有の生理。
1965年生まれの私は、
なんていい時代に育ったのだろうと、感謝した。
今のような使い捨て生理ナプキンが、
徐々に進化していったのが、1980年代なのだから。
私の生まれるほんの数年前まで、
世の女性たちは、本当に困っていたのだ。
そして、「穢れ」という差別。
日本でも1960年代半ば、
まだ日本の各地に、「隔離小屋」があったそうだ。
そして医師も含めて、間違った啓蒙活動が
盛んだった時代も。
いまだに、世界を見渡すと
女性の「穢れ」思想は健在で、
そのために亡くなった少女も少なくない。
とにかく一番の驚きが、日本での生理用ナプキンの歴史が
とても短いことだった。
「アンネ」
初めて初潮を迎えた日に母が言った「単語」。
今になって知った。
「アンネ」は女性が女性のために、
そして理解ある男性の協力があって、生まれたのだと。
「女工哀史」などに見られる過酷な労働。
お手洗いに行く時間さえ、決められていた。
当然、身体が病む人も出てくる。
今現在の私なら、そのような職場に配属されたら
すぐに症状が悪化してしまうだろう。
今の時代だから、私は生きていける。
もっと前に生まれていたら、きっと病死で
こんなに長く生きていられなかっただろう。
この本に出合えたことに感謝。